アパレル業界の価値観が大きく変わる
ツイートアパレル業界は、戦後から現在に至るまで大きな変化を遂げました。アパレルの歴史を年代別に分けて考えることで、それぞれの時代の流行が分かり、消費者の価値観までも変化していることを見ることができます。
アパレル業界の歴史を1960年代から10年ごとに区切り、その流行の変化を見てみましょう。未来の変化は誰にも予測はつきませんが、今後大きな変化が起こるとは間違いないでしょう。そのため、予測に時間を費やすよりも、今現在どのような変化が今起きているのかを見るために、日本におけるこれまでのアパレルの歴史を年代別に見ていきましょう。
1960年代
ナイロンやポリエステルと言った合成繊維の登場。大量生産・大量販売のために有効な繊維を探し、力を入れていた時代。アイビールックの流行、みゆき族というファッション集団の登場、ミニスカートの登場。
1970年代
日本デザイナーが、パリコレに参加し始めた時代。「ファッション化社会」と呼ばれる。原宿周辺に多くのメーカーが集結し、衣食住すべてに格好よさを求めた時代。チープシック、クロスオーバーという不況を背景にしたトレンドが登場。
1980年代
80年代後半にバブルとともに世界中のファッションが日本に流入。
1990年代
バブル崩壊。不況に突入し、ストリートファッションが流行る。
2000年代
世界各国の有力独自のブランドを持ち、それに特化した専門店を営む衣料品販売(SPA企業)が次々と出店した。このように、過去の歴史から現在へと、独自性をもったブランドを持つ企業しか生き残れない時代へと突入したのです。
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アパレル市場をマクロにみる
「マーケットサイズ」という市場をとらえるもう一つの見方をすることで、消費者の動きが見えてきます。「マーケットサイズ」とは、消費者が製品やサービスに対して、年間にいくらぐらいのお金を注ぎ込んでいるかを示したものです。
マーケットサイズ(MS)…顧客が1年間にその商品を購入するのにその家計の中から支出する金額のこと。「一人あたり消費支出金額」と呼ぶ。このマーケットサイズが、船井総合研究所により年に1回、MSを改訂し、発表されています。特徴として、家計調査年報および商業統計データを基本として、この研究所独自のデータを算出した、より小売販売状況に即したデータであることが挙げられます。
MS一覧表によると2012年度のMSは小売業関係のみで年間に102万5000円。1年間に日本人1人当たりに換算すると物販に102万円の支出をかけたということになります。1人当たりの数字なので、3人家族だとすると306万円が1世帯当たりMSとなります。
そして、サービス業のMSを見てみましょう。サービス業のMSは54万円です。これは、サービスに対する支出が大きくなっていることを指しており、シルバー、スクール、医療など高齢化社会ならではの支出が増えている傾向にあり、モノからコトへと消費が移りつつあることも伺えます。
日本人の支出全体で見てみると、MSは157万円の支出で、そのうちの5%ほどがアパレル関連でシェアを占めています。アパレル市場の中で売上を増やしていくためには、このようにマクロに市場を見ていくことが必要と言えるでしょう。
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